根管治療でむし歯の再発を防ぐために~歯を残せる可能性~

むし歯が進行して神経まで達しているといわれると、「もう抜歯になるのでは」と不安になることもあるかもしれません。
また、治療が複数回におよぶことから、「途中で通うのをやめたい」と感じた経験がある方もいらっしゃるでしょう。
将来いつまでも食事や会話を楽しむためには歯の健康が大切だとわかっていても、「できれば通院は少なくしたい」「早く終わらせたい」という気持ちがよぎることは自然なことです。
ただ、その判断が結果的に再発や再治療につながってしまうこともあります。
むし歯が再発して再治療にならないようにするためにも、あらかじめ注意点を知っておくことが重要です。
今回は、根管治療の流れや途中でやめてしまうことで起こり得るリスク、再発の原因となる細菌について解説します。

菅野 岳志 院長
経歴岩手県立大船渡高等学校
日本大学松戸歯学部
日本大学松戸歯学部附属病院臨床研修医修了
日本大学大学院松戸歯学部歯学研究科組織学専攻修了
医院名:かんのデンタルオフィス
所在地: 〒192-0073 東京都八王子市寺町46 ラグゼナ八王子寺町 1F
根管治療とは?どのような治療?

根管治療は、むし歯の再発を防ぎながら歯を残すことを目的とした治療です。
歯の内部に入り込んだ細菌を取り除き、再び感染しない状態に整えることで、歯を使い続けられる可能性を保ちます。
むし歯は歯の表面だけでなく、内部へと広がっていく病気です。
神経まで進行すると、歯の中で細菌が増え、炎症や痛みが生じることがあります。
ただし、症状が一時的に落ち着くこともあり、「治ったのでは」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、この段階では内部の細菌がなくなったわけではありません。
そのままにすると再び炎症が起こる可能性があります。
こうした状態に対して行うのが根管治療です。
歯の根の中にある「根管」と呼ばれる細い管の内部を処置し、入り込んだ細菌や感染した組織を取り除きます。
その後、洗浄と消毒を行い、薬剤を詰めて密閉することで、外から細菌が入り込まない状態へ整えます。
一つ一つの工程は地道ですが、再発を防ぐために欠かせません。
目に見えない部分を扱うため時間がかかる場面もありますが、歯を守るために重要な治療です。
途中で治療をやめると起こり得ること

根管治療は通院回数が必要になるため、「もう大丈夫そう」「いったんやめてもいいのでは」と感じる場面が出てくるかもしれません。
ただ、その段階で中断すると、見えない部分に問題が残る可能性があります。
途中でやめてしまった場合に起こり得ることは、次のとおりです。
▪歯根の中に細菌が残ったままになる
▪症状がなくても感染が続いている
▪再発によって治療の難易度が上がる
▪状態によっては抜歯につながる
根管治療では、まず痛みをやわらげるための処置を行うことがあります。
そのため、初期の段階で症状が落ち着き、「治ったのでは」と感じることもあります。
ただ、この時点では根の中の細菌が取りきれているわけではありません。
症状の有無だけでは判断が難しいため、途中でやめずに最後まで治療を進めることが大切です。
詳しく見ていきましょう。
細菌が残ったままになる
根管治療は、歯の根の中に入り込んだ細菌を少しずつ減らしていく治療です。
根の中は細く複雑な形をしているため、1回の処置ですべてを取り除くことは難しいとされています。
そのため、途中の段階ではまだ細菌が残っている状態です。
ここで治療をやめてしまうと、その細菌が再び増え、炎症が起こる可能性があります。
症状がなくても治ったとは限らない
痛みや腫れが落ち着くと、「もう問題ないのでは」と感じることがあります。
ただ、痛みは炎症が強いときに出やすい症状であり、落ち着いたからといって感染がなくなったとは限りません。
根の中に細菌が残っている場合、時間が経ってから再び症状が出ることがあります。
見た目や自覚症状だけでは判断しにくいため、途中での自己判断には注意が必要です。
再発すると治療の難易度が上がる
一度治療した歯が再発すると、歯の内部の状態はより複雑になる傾向があります。
すでに処置が行われている分、細菌の入り込み方や広がり方も変わってくるためです。
その結果、再治療では処置が難しくなり、歯への負担も大きくなることがあります。
抜歯につながる可能性がある
感染が続いた場合、歯の根だけでなく周囲の骨にまで影響がおよぶことがあります。
状態によっては歯を残すことが難しくなり、抜歯が検討されるケースもあります。
根管治療は「歯を残すための治療」です。
途中でやめてしまうと、その目的に近づきにくくなることがあるため、最後まで治療を受けることが非常に重要になります。
根管治療で知っておきたい注意点

根管治療は、歯を残すために重要な治療ですが、再発を防ぐためにはいくつか知っておきたいポイントがあります。
まず理解しておきたいのが、歯の根の構造です。
歯の根の中は一本の単純な管ではなく、細く枝わかれしていることがあります。
曲がっている部分や入り組んだ形の部分もあり、すべてを直接確認できるわけではありません。
そのため、処置を行っても細菌がわずかに残ることがあります。
さらに、処置後の密閉が不十分な場合や、詰め物・被せ物との境目にすき間が生じた場合には、そこから細菌が入り込むこともあります。
こうした条件が重なることで、再び炎症が起こるケースがあります。
一度治療を受けた歯でも、違和感が続く場合には、早めに確認することが大切です。
細菌が残るとどうなるのか?
根の中に細菌が残ると、内部で炎症が続きます。
はじめは症状が出ないこともありますが、時間の経過とともに違和感や痛みとして現れることがあります。
また、炎症が長く続くと、歯の周りの骨に影響が及ぶことがあります。
歯を支える骨が弱くなると、歯のぐらつきにつながる場合もあります。
見た目では判断しにくいため、症状が軽い段階でも注意が必要です。
再発を防ぐために意識したいこと
再発を防ぐためには、治療の精度だけでなく、その後の管理も重要になります。
▪根管治療は最後まで受けきる
▪定期的に歯科検診で状態を確認する
▪歯磨きのときに歯間ケアを続ける
途中でやめてしまうと、根の中に細菌が残った状態になりやすいため、注意しましょう。
定期検診で状態を確認する
根管治療で歯の内部をきれいにした後は、その状態を保つことが大切です。
詰め物や被せ物は材質にもよりますが、長く使う中でわずかなすき間が生じることがあり、そこから細菌が入り込むことがあります。
また、年齢を重ねるとともにかみ合わせの変化が起こるのは自然なことです。それによって歯の一部に負担がかかり、すき間ができやすくなる場合もあるのです。
定期検診では、こうした状態を確認し、必要に応じて調整を行います。
症状が出る前の段階で確認しておくことで、大きなトラブルになる前の対応がしやすくなります。
日常のケアで細菌を増やさない
毎日の歯磨きを丁寧に行うのはもちろんですが、その際に、「歯と歯の間」の清掃を行うことで、細菌が増えにくい状態を保ちやすくなります。
歯間ブラシやデンタルフロスを、1日1回以上は取り入れてケアを行いましょう。
治療後の状態を維持するためには、毎日のケアの積み重ねが重要です。
当院で行う精密な根管治療について

根管治療は歯の内部という見えない部分を扱うため、細かな部分まで確認しながら処置を進めることが重要になります。
当院では、歯科用CTやマイクロスコープを活用し、肉眼で見えにくい部分をしっかりと確認しながら一つ一つの工程を丁寧に進めています。
歯科用CTで歯根の中まで立体的に確認
歯科用CTでは、歯の根の曲がりや枝わかれ、炎症がどこまで広がっているかを立体的に確認できます。
あらかじめ状態を把握しておくことで、どの部分まで処置が必要かを判断した上で治療を進めることが可能です。
マイクロスコープで患部を拡大して的確に
歯の根の中は非常に細く、肉眼では見えにくい部分が多くあります。マイクロスコープを使うことで、その細い部分まで視野に入れながら処置を進めることができます。
見えないまま歯科医師が勘に頼って手探りで進めるのではなく、マイクロスコープなどの画像を確認しながら的確に処置を行える点が大きなメリットです。
根管治療の流れ

根管治療は複数回にわけて進めていきます。
一度で終わる治療ではなく、段階を踏みながら状態を整えていくことが大切です。
Step1.感染した部分を取り除く
むし歯によって感染した神経や組織を取り除きます。
根の中は非常に細く、曲がっていたり枝わかれしていたりするため、慎重な処置が必要です。
取り残しがあると再発の原因になるため、細かい部分まで確認しながら進めていきます。
Step2.根の中を洗浄・消毒する
神経を取り除いたあと、専用の器具と薬剤を使って内部を洗浄します。
細菌は目に見えないため、表面だけでなく奥までしっかり処置を行うことが重要です。
一度の消毒で十分とはいえない場合もあり、複数回にわけて状態を確認しながら進めます。
Step3.薬剤を詰めて密閉する
内部がきれいになった段階で薬剤を詰め、すき間ができないよう密閉します。
ここにわずかな空間があると、そこから細菌が入り込む可能性があります。
密閉の精度が、その後の経過に影響する重要なポイントになります。
Step4.詰め物・被せ物で歯を補う
根の中の治療が終わったあと、削った部分を詰め物や被せ物で補います。
この処置は、きれいにした根の中を守るために行うものです。
また、歯の形を整えて噛める状態に戻すことで、普段どおり使える歯になります。
根管治療は当院にご相談ください

当院では、根管治療において細菌の取り残しを減らすため、一つ一つの工程を丁寧に行っています。
歯科用CTやマイクロスコープなど、先進的な医療設備を取りそろえ、精密な根管治療を行っています。
「歯を残したい」「抜歯になるか不安」と感じている方は、まずはご相談ください。
お口の状態を確認し、お一人お一人の状態に適した治療方法をご提案いたします。




