市販品との違いは何?歯科医院のホームホワイトニングが選ばれる理由

「歯を白くきれいにしたい」と考えたとき、ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販のホワイトニンググッズが目に留まる方も多いのではないでしょうか。
自宅で手軽に試せる製品がたくさん流通しているため、まずは市販品から始めてみようと考えるのはごく自然なことです。
しかし、じつは歯科医院で行う「ホームホワイトニング」と、市販されているホワイトニンググッズとでは、その仕組みや製品の目的にいくつかの違いがあります。
今回は、自宅で行うホームホワイトニングの仕組みや特徴について詳しく解説いたします。
なぜ歯科医院のホワイトニングが選ばれるのか、その理由や市販品との違いについて、わかりやすくお伝えしますので、ぜひ参考になさってください。

菅野 岳志 院長
経歴岩手県立大船渡高等学校
日本大学松戸歯学部
日本大学松戸歯学部附属病院臨床研修医修了
日本大学大学院松戸歯学部歯学研究科組織学専攻修了
医院名:かんのデンタルオフィス
所在地: 〒192-0073 東京都八王子市寺町46 ラグゼナ八王子寺町 1F
歯科医院で取り扱われる薬剤と、市販品で使用できる成分の違い

歯科医院では、医療機関でのみ処方が認められている特別な成分を用いたケアを行うことができます。
歯科医院のホームホワイトニングと市販のホワイトニンググッズとの違いは、製品に配合されている成分と、それに伴う法律上の分類にあります。
医療機関だけで取り扱える特別な薬剤とは
歯科医院で処方されるホームホワイトニングの薬剤は、日本の法律(医薬品医療機器等法)において「医薬品」に分類されるため、歯科医師や歯科衛生士が在籍する医療機関で取り扱うことができます。
過酸化尿素(かさんかにょうそ)や過酸化水素(かさんかすいそ)の働き
医療ホワイトニングの薬剤には、過酸化尿素や過酸化水素という有効成分が含まれています。
過酸化尿素は、お口の中で時間をかけて過酸化水素へと分解されます。
この過酸化水素には、歯の表面にある着色汚れを落とすだけでなく、歯の内部にまでじっくりと浸透し、黄ばみの原因となっている有機質な色素を化学的に分解する働きがあるのです。
市販のホワイトニンググッズの仕組み
一方で、ドラッグストアやインターネットなどで市販されているホワイトニング歯磨き粉やジェルなどは、法律上「化粧品」や「医薬部外品」に分類されます。
これらの市販品は、法令上の区分や配合可能な成分の範囲により、過酸化物などを配合できない、または配合が制限されています。
市販品の多くは、「歯の表面」に付着した着色汚れ(ステイン)を、清掃成分や特定の成分によって落とすことを目的としているものです。
そのため、タバコのヤニやコーヒーなどの日常的なステインを落とし、自分自身の生まれ持った本来の歯の明るさを維持・回復するケアとして活用されますが、歯そのものの色を本来の明るさ以上に白くする成分は含まれていないという特徴があります。
歯科医院のホワイトニングと市販品の違い
それぞれの特徴をわかりやすく表にまとめました。
| 項目 | 歯科医院のホームホワイトニング | 市販のホワイトニンググッズ |
|---|---|---|
| 法律上の分類 | 医薬品(歯科医院のみで取り扱い可能) | 化粧品・医薬部外品(お店で購入可能) |
| おもな成分 | 過酸化尿素・過酸化水素 | 研磨剤、各種洗浄成分など |
| 製品に認められた成分 | 歯の内側の黄ばみを化学的に分解する成分を含む | 「歯の表面」の着色汚れ(ステイン)を落とす成分を主とする |
| 製品のおもな目的 | 歯本来の色調をトーンアップさせる | 生まれ持った歯の本来の明るさを維持する |
医療ホワイトニングの特徴は「歯の内側から白くする」メカニズム
歯科医院のホームホワイトニングは、薬剤が「歯の表面」の「エナメル質」を通過して、その奥にある「象牙質(ぞうげしつ)」という部分にまで働きかけます。
日本人の歯は、この象牙質がもともと黄色みを帯びていることが多く、「エナメル質」が薄いために黄色さが透けて見えやすいという特徴があります。
医療用の薬剤を使用することで、この透けて見える黄ばみそのものを分解するため、内側から歯の色調の変化が期待でき、自然な明るさをめざすことができるのです。
ホームホワイトニングの基礎知識とメリット

医療ホワイトニングは大きくわけて、歯科医院のチェアーに座って行うオフィスホワイトニングと、ご自宅で行うホームホワイトニングの2種類があります。
その中でもホームホワイトニングには、白さが比較的長持ちしやすい傾向があります。
じっくり時間をかけて薬剤を浸透させるメリット

ホームホワイトニングは、歯科医院で製作した「専用のマウスピース」に薬剤を注入し、ご自宅などのお好きな場所で、毎日一定時間装着することで、日数をかけて少しずつ歯を白くしていく方法です。
オフィスホワイトニングのように短時間で急激に白くするわけではないため、一見すると効率が悪く感じられるかもしれません。
しかし、時間をかけてじっくりと薬剤を歯の内部まで浸透させることで、薬剤がしっかりと定着し、色戻り(ホワイトニング前の色に近づいてしまう現象)がしにくくなるというメリットがあるのです。
白い状態を長く維持しやすい理由

歯の内部にある色素を少しずつ、均一に分解していくプロセスを経るため、一度白くなった状態が長持ちしやすいという特徴があります。
一般的に、ホームホワイトニングで得られた白さは、オフィスホワイトニングよりも持続期間が長いといわれています。
定期的なメンテナンスや、毎日の丁寧な歯磨きを心がけることで、お気に入りの白さをより長く楽しんでいただくことが可能です。
歯科医院でのホームホワイトニングの進め方とサポート体制
ご自宅で行うホームホワイトニングは、どのような手順で始めていくのでしょうか。
事前の準備からご自宅でのケアまで、迷わずスムーズに取り組んでいただけるように、一般的なホームホワイトニングの流れをご紹介します。
ホームホワイトニングの一般的な流れ
歯科医院での相談からご自宅での実践までは、以下のようなステップに沿って進めてまいります。
Step01:お口全体の検査
まずは歯科医師が「むし歯や歯周病の有無」などお口の環境を細かくチェックし、安全に施術ができる状態かをしっかり確認します。
Step02:歯の型取り
患者さんの一人ひとりの歯列に合わせて、薬剤を均一に行き渡らせるための「専用のマウスピース」を製作します。
Step03:マウスピースと薬剤のお渡し
完成したマウスピースをお口に合わせ、適合具合を確認します。そのあと、ご自宅での「薬剤の取り扱い方法」や注意点を丁寧にお伝えします。
Step04:ご自宅でのホワイトニング開始
マウスピースに専用の薬剤を注入し、毎日「ご自身の好きな時間」に、一般的には1日1〜2時間ほど装着して、じっくりと歯を白くしていきます。
(薬剤や歯の状態によって異なる場合があるので、指定の時間を守って装着するようにしましょう)
専用のマウスピースを製作した後はご自宅で好きな時間に進められる

マウスピースが完成した後は、歯科医院からお渡しする専用の薬剤を持ち帰り、ご自宅などの好きな場所や時間に進めていただくことができます。
たとえば、お仕事を終えて自宅でリラックスしている時間や、家事をしながらの時間など、通勤や通学で忙しい方でも無理なくご自身のペースで続けられるのが特徴です。
個人差はありますが、1日あたり数時間の装着を約2週間ほど継続することで、変化を実感できるようになります。
施術を開始する前にお口の環境を細かくチェックする重要性

ホームホワイトニングは手軽に始められる方法ですが、安全にホワイトニングを行うためには、事前に歯科医師によるお口の中の診察が欠かせません。
もしもお口の中にむし歯や歯ぐきの腫れなどのトラブルがある状態で強い薬剤を使用すると、薬がしみたり、痛みを強く感じてしまったりすることがあります。
そのため、施術を開始する前には必ずむし歯や歯周病の有無など、お口の環境を細かくチェックいたします。
お口全体の健康と白さを維持するためのケア

ホームホワイトニングで手に入れた透明感のある白い歯をより長くきれいに保ち、同時にお口全体の健康を守るために、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なケアを組み合わせることが大切です。
自宅でできる着色予防と適切なセルフケア

ホワイトニングの効果を長持ちさせるためには、日ごろから歯に汚れを溜めないよう工夫することが大切です。
着色しやすい飲みもの
・コーヒー
・紅茶
・緑茶
・赤ワイン など
色の濃い食べもの
・カレー
・ミートパスタ など
特にこのような飲食物を好まれる場合は、食後に早めの歯磨きやうがいを心がけることが効果的です。
また、毎日の歯磨きの際には、「歯と歯ぐきの境目」や、「歯と歯のすき間」などを意識して、やさしく丁寧に磨くようにしましょう。
力を入れすぎて強く磨いてしまうと、「歯の表面」や「歯ぐき」を傷つける原因になるため、適切なブラッシングを続けることが白い歯を維持する秘訣です。
歯科医院での定期メンテナンスと専門的なクリーニング

ご自宅での歯磨きだけでは、どうしても落としきれない頑固な着色汚れや、歯垢が固まった歯石などが少しずつ蓄積してしまいます。
これらをそのままにしておくと、ホワイトニングの輝きが損なわれるだけでなく、むし歯や歯周病の原因にもなります。
そのため、数ヶ月に一度は歯科医院での定期検診や専門的なクリーニングを受けることがおすすめです。
当院では、お口にやさしいクリーニングを行える「歯面清掃装置「エアフロー」」を導入しています。
「歯面清掃装置「エアフロー」」は、非常に細かなパウダーと水をスプレー状に吹き付けることで、「歯の表面」や歯ブラシが届きにくい「細かなすき間の汚れ」を、歯や歯ぐきへの負担に配慮しながら汚れを除去することが目的です。
定期的にこのケアを利用することで、ホワイトニングの色戻りを防ぎながら、お口全体の健康を維持することが可能になります。
エアフローについて詳しくは、こちらのコラムをご確認ください。
ご自身のペースで理想の白い歯をめざしませんか

清潔感のある明るい口元は、一人ひとりの笑顔の魅力をさらに引き立ててくれます。
「市販のグッズを試してみたけれど、思ったような変化が感じられなかった」「仕事が忙しくて何度も通院するのは難しいけれど、しっかりとした効果を実感したい」とお悩みの方は、歯科医院のホームホワイトニングを検討してみてはいかがでしょうか。
お口の環境や歯の色味について気になること、ご不安なことがありましたら、いつでもどうぞお気軽にご相談ください。



